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Site icon imageCX LAB(Customer Experience 研究所)

Customer Experience(顧客体験) 研究所。Digital Marketing 分野の技術的な話を中心的に話します。

Post (3rd Party)Cookie時代における、デジタルを中心としたマーケティングで必要な3つのポイント…の続き

こちらの記事はnoteで投稿した以下の記事の続きとなります。

是非先にこちらを御覧ください。

https://note.com/manji6/n/ndf567a4d7c20

前半のnoteで上げた記事では、Post Cookie時代において考えるべき事…についてWebでの支援を中心に書いてみました。後半のこちらでは、Web以外のところも踏まえて技術的な内容に掘り下げて話していきたいと思います。

改めて、マーケティングチャネルを見直してみる

Cookieが使えない!どうしよう…!と悩んでいてもしょうがないです。所詮CookieはWebの話だけです。デジタルマーケティングは勿論Web以外の世界もいっぱいあります。

  • Web
  • モバイルアプリ(アプリ内、Pushメッセージ通知)
  • ソーシャルメディア(各特性に合わせたPlatformが多数存在)
  • メール
  • コミュニケーションツール(LINE等)
  • 各種広告(キーワード、バナー、Product系、ソーシャルメディア、オンラインメディア内等)

上記の環境で問題が起きているのは、Webだけです。ほかは何も影響は起きません。であれば、まず他のマーケティングチャネルは普通に活用して推進していく事は当たり前かと思います。

更に言ってしまえば、今回のITPを始めとするCookieの問題はあくまで 3rd Party Cookieなので影響としてはいわゆるDMP、広告周りのところで問題が起きるだけです。そこまで影響が大きいわけでは実際ないのです。

実際にどのような影響が起きるのか?

3rd Party Cookieが使えなくなることで、どのような影響がデジタルマーケティングの文脈で起きるのか?という点についても、改めてきちんと理解をしましょう。影響が起きる範囲は具体的に言えば以下です。

  • (Public) DMP を用いてWeb経由に第三者からもらっていたユーザーセグメント情報は貰えなくなる
  • (Public / Private) DMPを用いて他社や広告配信システム(DSP)及び他のDMP等に連携していたセグメント情報が使えなくなる
  • “ドメイン"の区別がデータを扱う区分になり、ドメインを跨いだものは基本的にやり取りが出来ない(但し、ログインIDに紐づく顧客IDをベースにしたものであれば問題なし)

ざっくり・・・図示するとこうです。すごい荒いのですが・・・

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つまるところ、何が問題?っていうと「ドメインをまたいだら」もうデータのやり取りは出来ないということです。

いままではあの手この手で広告や他の企業にもデータを渡したり出来ましたがもう出来ません。

ということは、そのデータを活用した広告周りも問題が起きるのです。

なので、前半のnoteの記事でも書きましたが「自社でデータを集める」という行為が大切になってきます。

何に力を入れていくべきか?

3rd Party Cookieが使えなくなるということで、じゃあ今後は何に力を入れていくべきか…ですが、大きくは以下だと考えております。

自分たちのWebサービス上で正しくデータを集める

例えばPrivate DMPやCDPのような仕組みをつかって自社サービス(ドメイン)ごとにお客様の行動データや各種データを集めていくことは今後も出来ます。このようなデータを活用して自社サービス(ドメイン)ごとにWebサイト内でのターゲティングをしていくことは今後も引き続き考える必要があります。

また、今後は「ドメイン単位」ということをより意識していく必要があります。ドメインが別れたらデータはほぼ集め直しです。なので、そのサービスとしてデータを集めたいのであれば同一ドメイン配下にページを作って展開するなど、今までよりもきちんとドメインを意識したサービス展開が必要となります。

このデータを集める環境についてもよく考える必要があります。前半のnote側記事でも書きましたが、Cookieが使えなくなったからと言って来訪者へ会員登録やログインを強いるのはおかしい話です。

勿論お客様がサービスを使いたい、などの理由が起きて会員登録やログインをしてくれるのは良いフィードバックですが、その前にそもそもこのような顧客IDを持つ前のお客様も、顧客IDを持った後のお客様も統一してデータを収集・分析できるような環境は今後より必要になってくると思います。

モバイルアプリに舵を切る

今回の3rd Party Cookieの制限で影響するのはWebだけでモバイルアプリは現状影響はありません。実際に先程のWebでの影響図に対して、モバイルアプリという事で書くとこういう感じ。

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モバイルアプリの世界は現状はまだ問題はありません。(というか適切なID処理システムが各OSにあります)

必ずしもWebではなく、モバイルアプリを中心としたマーケティング活動を中心としていく方法もありだと思います。

(Webも勿論立てますが、どちらかというとサービス展開はすべてモバイルアプリに委ねて、Webはティザーサイトのような形)

まとめ

ということで、3rd Party Cookieが使えなくなる事に対してどのような影響や対応をしていくべきかについて色々と書いてみました。マーケティングはお客様に対してよりよい体験をしてもらうためのサービスの一つだと思っております。

そのサービスを提供するための一部環境が変わっただけ…であり、今回こういう事を考えるいい機会になったのではないのかな?と思います。正しく情報を取得し、正しいマーケティング活動を!